地域によって人気のきのこは様々で、以前テレビを見ていたら、きのこ特集ではなく、その地域の高値売買物...それがウラベニホテイシメジだった。案内した地元のきのこ採りのおじさん...正確にはウラベニ採りのおじさん、山の中に入るまでは、絶対撮影しないのが条件で、取材に応じたそうで...。

 売買価格を聞いたら、とんでもない値段で取引されていて、マツタケなんか見向きもしない..て〜のも理解できるような値段だったのを覚えている..が、今思うと、それを買った人はどんな食べ方してたんだろうな〜...いずれにしても地域色だよな〜まだ関西方面で、夏のコウタケが秋にマツタケなんか比較にならんほど高値が付く..てな話し方が、なんとなく理解出来るのだが。

 僕の住む地域でも、このウラベニは結構人気で、地方名として、イッポンシメジ、イッポンカンコウなどの名前で呼ばれ親しまれていて、町のスーパーにも山採りきのことして、誰かが採ってきたウラベニをパックに入れ並べて売られている、でもそんなに高くはなく、普通の山採りきのこの値段であるので、それなりに人気である。

 要は、昔から採られいて、親しまれてきたという事なんだろうけど、数年前スパーで売られたウラベニホテイシメジに本物のイッポンシメジが大量に混ざっていて、中毒者続出事件なんて〜オチも..幼菌の時は、慣れた鑑定士でも間違えやすい奴である事も事実である。

 この山もウラベニが結構発生する山で、僕的には、びっくりするほど美味しいきのこだとは思わないのだが、大型で、虫が入っていなければ、しっかりとしたきのこで、その料理方法によっては、抜群の酒の肴になる嬉しいきのこである事は間違い。

 光の筋に乗り、日のに傘を向けるウラベニの脇で一休み....今宵の晩酌が頭の中に自然に浮かんで、妙な笑顔でリックの中のカメラを出し、カシャ!

 きのこ全体にそうであるように、どうしようもなく、男性の象徴のような形状というか、そのもの..みたいな奴らが多い..まっそれはそれで、どうにもそういう生体なのだから誰のせいでもなく、お決まりの下ねたも後を絶たないのも仕方が無いのだと思う。

 でも、良く見ると、少し傘を開き、身を寄せ合って発生してるウラベニ..色白で、女性的なしなやかな腰つきに見えてくる...僕の頭の中結局そんな事しか考えられんか〜..と思うが、そう思ってしまったので、それも、それで...しょうがない..若い女性ねっ....

しもじ

 日に向うウラベニ、しなやかな腰つきのウラベニ..丁寧に採り、その姿を壊さぬように、そっとカゴに入れ、急斜面を下り沢を越え、反対側の山にはりつき、やっと遊歩道にたどり着き、先へ進むと、4、5人の子供連れのきのこ採りの一団、多分この子供達の先生かなにかだと思うのだが、一応「きのこ採れました?」てな挨拶というか、声をかけると、体格のよい男性が、持っていたカゴをひっくり返してみせ「な〜にも無し!」

 もう一人の女性(先生なのか保護者なのかは不明..)は、他の子供とその周囲できのこを探している...その場所は、わずかに外れると、ちょとしたミネゴンの畑がある。 相手が同族ならば、「そんじゃ!」と言って立ち去るのだが、...こういう場面にはめっぽう弱い僕で、自分のカゴを降ろし、「こっち見てみ、ほら..ここから1本、2本..並んでるでしょ..」と、斜面を下り、その場を指さして...あ〜〜優しい〜の〜僕って..体格の良い男性は「わ〜生えてる生えてる、これで今日きのこ鍋ができるぞ〜」と..「おまけ、はい..」と足下に1本あったリコボーを男性に手渡しつつ、「そんじゃ、僕はこれで」と自分のカゴを置いた方へ....後ろで、男性が、子供たちに今見つけたきのこを採らせている女性に、「ほら、これがリコボーだよ!」と..なんか、いいね〜と一人にっこりしながらカゴの所まで戻ると...げげ〜子供が一人残っておるではないか! それも僕のカゴに手をつっこんで...「きのこおいしい?きのこおいしい?」と、かわいい声でいいながら、日に向うウラベニも、しなやかな腰つきのウラベニも..みんなバラバラ...日に向ってた..しなやかな腰つきだった...過去形に...ここまで、その姿を崩さぬように、うんと気を使って斜面を..沢を....やめろ〜!先生〜!と、声を出せずに、心の中で、「お願い..やめて..」と、カシャ! 写真撮ってる場合じゃないが、子供の無心な行動と笑顔には...歯がたたない..グスッ!

しもじ

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